幸せな酒造りにこだわる、当蔵の代表杜氏 箭内和広

唯一無二の職人杜氏

幸せな酒造りにこだわる、当蔵の代表杜氏 箭内和広
photo:Naoto Yoshida

「御慶事」の命運を担う、一人の杜氏の存在があります。それが、2013年から青木酒造の杜氏を務めている、箭内和広です。箭内は、最近の小規模醸造の酒蔵には珍しい、“職人杜氏”。箭内は、平成2年に酒造りの道に入門。地元会津の酒蔵で蔵仕事に没頭し、12年が過ぎた頃に南部杜氏資格試験に合格。以後、酒造りの杜氏として、蔵人達を束ねてきました。

一方箭内を迎える前の当酒蔵は、職人の高齢化という問題に直面していました。新たな杜氏を迎えるべく数名の方とお会いしましたが、「笑いながら造った酒には、癒しがある。飲んで疲れないし、無条件においしい。飲んでいる人がやわらかい表情になる酒が造りたい」という箭内の言葉に、すぐにピンときました。そこで、「好きにやってみてほしい」とお願いし、当酒蔵の命運を箭内に託しました。ここから、すべての相性がうまく巡り合い、新しい「御慶事」の歴史が始まりました。

「お酒には人柄が出る」とはよく言いますが、本当にその通りだと思います。口に含むと、柔らかい心温まる味わい、後味は綺麗な透明感。箭内が毎年魂を込めて造る「御慶事」には、癒しがあり、笑顔があり。青木酒造のスタッフ皆が箭内のお酒のファンであり、愛情が込められていると自負しております。

そんな箭内の技術を継承していく事も酒蔵の役割のひとつです。若手の職人の育成や今後も、よりよくなったとお客様に言って頂けるようなお酒を造りを目指し、青木酒造の挑戦は続きます。

2018.8