「継ぐ女神~青木知佐(27) 茨城・古河で186年続く蔵元“青木酒造”8代目」

2017年3月22日に放送された、テレビ朝日の情報番組「羽鳥慎一モーニングショー」の水曜コーナー「継ぐ女神」に、弊社専務青木知佐を取り上げていただきました。

2017年3月22日放送のテレビ朝日「継ぐ女神」に出演しました!

「継ぐ女神」は、番組サイトによると「伝統を守り、次の世代へ引き継ぐべく奮闘する輝く女性に密着するコーナー」ということで、なんと私が選ばれました!宇賀なつみアナウンサーが直接訪問してくださり、茨城県古河市で186年続く青木酒造の8代目となった私、青木知佐が、女性杜氏を目指し奮闘する様子を取材していただきました。

弊社の日本酒は、2016年7月7日にロンドンで開催された「インターナショナルワインチャレンジ」世界的なコンペで、日本酒約1300点の中から純米吟醸の部グランプリに選ばれた「御慶事 純米吟醸 ひたち錦」(1836円 税込み 720ml)が紹介されました。試飲したスタジオの皆さんからは「吟醸香は強くなく当たりは柔らかい。味がしっかりしてずっと余韻が残るいいお酒」との感想をいただきました。

番組の中で、自宅に古くからある「竹筒のような見た目の陶器製の花生け」を、「なんぼや」骨董鑑定士の海老澤典純さんに鑑定していただきました。その結果、「『北大路魯山人の竹形花入れ』の真作で間違いない」とのことで、なんと鑑定額は100万円!ガラクタと捨てられてしまっていた可能性もあるので危ないところでした…。

そして、日本酒の搾りのタイミングを杜氏の箭内和広さんと私が見極める様子が放映されました。箭内さんは蔵の専属 当社の通年の社員ではなく、冬になると仕込みのために住み込みで来てくださる職人杜氏です。仕込み以外の時期は地元会津の酒造で働いていらっしゃいます。

取材が入った3月は、去年11月から仕込み始めたお酒が完成する時期となり、もろみを搾るタイミングを見極める作業を行いました。メロンのような香りがし、もろみの泡が細かく上がっていることから、この日に搾ることに決定しました。見極めには香りなど感覚的なものが必要なため、まだまだ難しいですが、一人前になるまで10年以上かかるといわれる中、必死に勉強しているところです。

搾り作業を終えるとお酒の完成です。もろみがホースで移動し、出来上がったお酒がタンクに出てきます。今年のお酒の出来栄えがわかる、緊張の瞬間です。
箭内さんがチェックし、「今年の出来は例年よりもいい感じ」とのこと。試飲した宇賀なつみアナウンサーにも試飲していただき、「みずみずしくて美味しい」と言ってくださいました。

私が青木酒造を継ぐことに決めたのは4年前、23歳の時でした。番組のインタビューで、母である7代目女将の弥生は、「造り酒屋は男社会なのでびっくりしたけれど、本当にありがたい」7代目である父の滋延は「まさか本当に『やるよ』と言ってくれるとは思わなかったのでびっくりした。引き継いでもらえないと次はないので、助かった」という言葉をくれました。

私が心に決めているのは、「一生懸命作ったお酒を出来るだけ色々な方に飲んでいただきたい」ということ。現在「御慶事」はほとんどが県内で消費されていて、全国的にはまだまだ無名なので、全国区にしたいというのが目標です。

番組では、全国から約20万人が訪れる「古河桃祭り」に出店した際の模様も放送されました。多くの人にお酒を知ってもらうチャンスであるこのイベントで、この日の販売目標は50本だったところ、62本もお客様に買っていただくことができました。

最後に「女神の一言」として、「できることはまずやってみる!悩むのはそのあとで」という言葉を取り上げてくださいました。まだまだ男社会の酒造り、できることは全部やってみて、駄目だったらそのあと考えるということです。

また、この放送を見て、全国の方々から励ましの言葉をいただき、予想を超える多くの注文をいただきました。対応が追いつかず、ご迷惑をお掛けしてしまった点が数多くありました。この場を借りまして、改めてお詫び申し上げます。申し訳ありませんでした。多くのご期待に応えられるように頑張って行きたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。

蔵に戻って8年。こちらのテレビ放映を通して本当に沢山のお客様に知ってもらう事が出来ました。今も「できることはまずやってみる」の精神で、様々な新たな事に毎年挑戦しています。これからも、面白い事やっているな、頑張っているな、とお客様に興味をもってもらえるような、酒蔵にしていきたいと思っております。

まだまだ未熟な部分もありますが、その都度ブラッシュアップして、地元の人に誇ってもらえるような酒蔵にしてまいります。

2022.10.31 青木知佐